Hawkwind - Warrior On The Edge Of Time (United Artists, 1975) Full Album : http://youtu.be/szA_SoXSD0c
Recorded March 1975 at Rockfield Studios, Monmouth & Mixed at Olympic Studios
Released 9 May 1975: United Artists Records, UAG29766, UK vinyl
(Side A)
A1. ASSAULT AND BATTERY ~ THE GOLDEN VOID (D.Brock) - 0:00:10
A2. THE WIZARD BLEW HIS HORN (M.Moorcock, S.House, A.Powell, S.King) - 0:10:20
A3. OPA-LOKA (A.Powell, S.King) - 0:12:18
A4. THE DEMENTED MAN (D.Brock) - 0:17:26
(Side B)
B1. MAGNU (D.Brock) - 0:21:26
B2. STANDING AT THE EDGE (M.Moorcock, S.House, A.Powell, S.King) - 0:30:58
B3. SPIRAL GALAXY 28948 (S.House) - 0:33:42
B4. WARRIORS (M.Moorcock, S.House, A.Powell, S.King) - 0:37:30
B5. Dying Seas (N.Turner) - 0:39:32
B6. King of Speed (M.Moorcock,D.Brock) - 0:42:37
[Bonus Tracks]
Track 11. MOTORHEAD (I.Kilmister) - INSTRUMENTAL DEMO - 0:46:13
Track 12. DAWN - 0:49:20
Track 13. WATCHFIELD FESTIVAL JAM - 0:58:18
Track, 14. CIRCLES - 1:10:06
Track 15. I AM THE EYE - 1:14:35
[Musicians]
Dave Brock - guitar, keyboards, vocals(A1,A4,B1,B6), bass guitar (A3)
Nik Turner - saxophone, flute, vocals (B2,B5)
Lemmy (Ian Kilmister) - bass guitar
Simon House - violin, Mellotron, VCS3,keyboards
Simon King - drums, percussions
Alan Powell - drums, percussion
Michael Moorcock - vocals (A2,B4)
オリジナルはゲートフォールド(見開き)変形ジャケットで、内ジャケットがさらに下に開いて盾の形になるようになっており(つまり変形8面ジャケット)、キングレコードの「ヨーロピアン・ロック・コレクション」盤のLP再発ではただのシングル・ジャケットになっていた。「ヨーロピアン・ロック・コレクション」ではホークウィンド暗黒の80年代にこの『絶体絶命』と「世界中のヒッピーが一家に一組持っていた」と言われる2枚組ライヴ盤の傑作『宇宙の祭典』をLP再発してくれたはいいが、『宇宙の祭典』の12面ジャケットもやはり普通のダブル・ジャケット仕様だった。
ホークウィンドの代表的傑作は初期の集大成でスタジオ盤ではできなかったスケールの大きく奔放なライヴ盤『宇宙の祭典』1973と、次作でメンバー・チェンジを経て凝った作り込みで楽曲・アレンジとも最高の完成度を達成した『絶体絶命』1975の2枚でまずは問題ないからキングレコードのLP再発はありがたかったのだが(それに日本ではホークウィンドは少数のマニアにしか聴かれないバンドだったから中古盤も入手しづらかった)、ジャケットは残念程度で済むが音質がむごかった。テープ・コピーのさらにコピーというくらいモコモコの音質で、最初からリマスター再発CDで聴ける21世紀以降のリスナーが羨ましい。
ホークウィンドは1970年デビュー、現在でも現役のバンドで、つい先日もアルバム・リスト1~5に同時期の未CD化ライヴ盤(2枚組2組)とシングル集を加えた11枚組ボックスが廉価再発された。最新リマスター盤11枚組で4000円未満だから、そのボックスと『絶体絶命』の単品CDでユナイテッド・アーティスツ時代の初期~絶頂期ホークウィンドは一気に揃う。
ディスコグラフィーは履歴書みたいなものだから、まずホークウィンドの場合も1976年のカリスマ・レーベル移籍以前のアルバム・リストを掲載します。アルバム未収録シングルに重要曲が多いバンドでもあるから、シングル集CD、またはシングル曲をボーナス収録したリマスター盤CDをお勧めしたい。1990年代の初CD化旧規格盤は音質悪い、ジャケットの複写も汚い、ボーナス曲なしで良い所なしです。
[ Hawkwind Album Discography 1970-1975 ]
1. Hawkwind (1970,Liberty, LBS83348)
2. In Search of Space『宇宙の探求』 (1971,United Artists,UAG29202) UK#18
3. Doremi Fasol Latido『ドレミファソラシド』 (1972,United Artists, UAG29364) UK#14
4. The Space Ritual『宇宙の祭典』(Alive1973,United Artists, UAD60037/8) UK#9, US#179
5. Hall of the Mountain Grill『永劫の宮殿』(1974, United Artists, UAG29672) UK#16, US#110 studio with some live tracks
6. Warrior on the Edge of Time 『絶体絶命』(1975,United Artists, UAG29766) UK#13, US#150
以上がユナイテッド・アーティスツ時代のアルバムで、次作からはカリスマ・レーベルに移籍し、
・Astounding Sounds, Amazing Music (1976,Charisma, CDS4004) UK#33
・Quark, Strangeness and Charm (1977,Charisma, CDS4008) UK#30
・25 Years On (1978,Charisma, CDS4014) UK#48 released under the name Hawklords
・PXR5 (1979,Charisma, CDS4016) UK#59 studio with some live tracks
・Live Seventy Nine (1980,Live, Bronze, BRON527) UK#15
・Levitation (1980,Bronze, BRON530) UK#21
・Sonic Attack (1981,RCA/Active, RCALP6004) UK#19
・Church of Hawkwind (1982,RCA/Active, RCALP9004) UK#26 released under the name Church of Hawkwind
・Choose Your Masques (1982,RCA/Active, RCALP6055) UK#29
・The Chronicle of the Black Sword (1985,Flicknife, SHARP033) UK#65
・Live Chronicles (1986,Live, GWR, GWS1)
・The Xenon Codex (1988,GWR, GWLP29) UK#79
・Space Bandits (1990,GWR, GWLP103) UK#70
・Palace Springs (1991,Live, GWR, GWLP104) with some studio tracks
・Electric Tepee (1992,Essential, ESD181) UK#53
・It Is the Business of the Future to Be Dangerous (1993,Essential, ESD196) UK#75
・The Business Trip (1994,Live, EBS, EBS111) with some studio tracks
・White Zone (1995,EBS, EBS113) released under the name Psychedelic Warriors
・Alien 4 (1995,EBS, EBS118) UK#119
・Love in Space (1996,Live, EBS, EBS120)
・Distant Horizons (1997,EBS, EBS139)
・In Your Area (1999,Voiceprint) live and studio
・Spacebrock (2000,Voiceprint) Dave Brock solo album released as Hawkwind
・Yule Ritual (2001,Live, Voiceprint)
・Canterbury Fayre 2001 (2002,Live, Voiceprint)
・Take Me to Your Leader (2005,Voiceprint)
・Take Me to Your Future (2006,Voiceprint) Dual Disc: studio audio and live video
・Knights of Space (2008,Live, Vision Music)
・Blood of the Earth (2010,Eastworld, EWO042CD)
・Onward (2012,Plastic Head) UK#75
・Stellar Variations (2012,Esoteric, EANTCD1008) Released under the name Hawkwind Light Orchestra
・Spacehawks(2013)
と、調子に乗って最新作まで上げてしまったが、80年代前半までも中堅バンドとして十分なチャート実績があり、以降もポツポツとチャート入りアルバムをリリースしている。今年でデビューから45年になるバンドだが、80年代以降は実質デイヴ・ブロックのワンマン・バンドとはいえブランクらしいブランクもないのだ。近年のイギリスの音楽誌「モジョ・マガジン」の特集号「ピンク・フロイドとプロッグ・ロック」の「コズミック・ロック」名盤40選の8位に『宇宙の祭典』がランクインしている。
『宇宙の祭典』のホークウィンドはデイヴ・ブロック(ギター、ヴォーカル)、ニック・ターナー(アルトサックス、フルート)、ロバート・カルヴァート(ポエトリー・リーディング)、ディック・ミック(音波発振器)、デル・デトマー(シンセサイザー)、レミー(ベース)、サイモン・キング(ドラムス)にステーシア(スペース・ウィスパー、ヌードダンサー)というメンバーで、レミーは後のモーターヘッドのレミーさん。実際のステージではニック・ターナーやレミーが歌った曲もアルバムではデイヴ・ブロックのヴォーカルに差し替えてある。音波発振器、シンセサイザー担当の二人は効果音やノイズしか演奏しないから、楽器編成としてはギター、ベース、ドラムスにサックス(またはフルート)が加わるだけで、『宇宙の祭典』はサイケデリック・ロックのリスナーからの支持が厚い。
( Hawkwind "Space Ritual"1973 )
ロックバンドはライヴ盤の次は音が変わるというが、ホークウィンドもそうで、次作『永劫の宮殿』でノイズ担当者二名が元ハイ・タイドで元サード・イヤー・バンドのサイモン・ハウス(ヴァイオリン、キーボード)に交代した。サイモン・ハウスの加入でホークウィンドのサウンドは劇的に変わった。ハウスがサウンド面でのリーダーになり制作された『絶体絶命』は、プログレッシヴ・ロックのリスナーからはホークウィンドと言えば『絶体絶命』、という高い評価を受けた。これほど完成度の高いアルバムはホークウィンド史上空前絶後なので、名盤として特筆されるのもうなずける。
『絶体絶命』のオープニング曲はどこかで聴いたことがあるような錯覚に陥るが、メロトロンの使用といい、ヴァイオリン&キーボード兼任奏者と管楽器奏者(ホークウィンドのこの曲ではフルートで、サックスではないが)のアンサンブルといい、1974年11月に発売されたアルバム『カントリー・ライフ』収録のこの曲を参考にしているのは明らかだろう。コード進行もサビ以外おんなじで、思えばこのバンドは1972年6月デビューだからホークウィンドより後輩になる。
(Roxy Music "Country Life" 1974)
Roxy Music - Out Of The Blue (HQ) : http://youtu.be/QpvfQZQi71I
だがホークウィンドは元々ヘヴィなサイケデリック・ロックのバンドだった。それは……という話は、次回『宇宙の祭典』のご紹介の時に持ち越します。