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Channel: 人生は野菜スープ(または毎晩午前0時更新の男)
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(補12d)B・ハッチャーソン(vib)

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Bobby Hutcherson(1941-,vibes & marimba)。
次回でやっとハッチャーソン自身の初リーダー作をご紹介できるが、今回紹介分を含めてリーダー作以前のハッチャーソンのサイドマン参加作12作は、どれも60年代ジャズでは必聴レヴェルと言える。さすがにグラシャン・モンカーやアンドリュー・ヒルから入る人は少ないと思うがドルフィー「アウト・トゥ・ランチ」とマクリーン「ワン・ステップ・ビヨンド」は外せないだろう。次点はグリーンの「アイドル・モーメンツ」か。今回は64年後半分の参加作になる。

Tony Williams:Life Time(画像1)64.8.24
-はマクリーンからマイルス・クインテットに引き抜かれたドラマー、18歳の初リーダー作。ハッチャーソン参加はトニー、ハンコックとの変則トリオの'Memory'だけだが、全5曲トニーの自作で組曲仕立てのこのアルバムでアダージョ的なパートになっている。

Jackie McLean:Action(画像2)64.9.16
-は、トランペットの新鋭チャールズ・トリヴァーとマクリーンが2曲ずつ、唯一のスタンダード'I Hear Rhapsody'はテーマをヴァイブとアルトが分けあう。ピアノレスならではのストイックな緊張感はあるがモンカー不参加でエグさはなく、すっきりとかっこいいマクリーンが聴ける。オリジナル曲がいいのもこのアルバムの魅力だろう。

フリー・ジャズを経過した60年代ジャズは新しいアンサンブルやアドリブの可能性を追求したが、管楽器奏者にとってはピアノによるバック・アップはアドリブの自由度を制約する、という考えがあった。だが和声楽器はほしい。ハッチャーソンのヴァイブはその要望を満たしたものだった。ドルフィー作品のアブストラクトな演奏も、マクリーン作品のポスト・バップ的演奏も自在だった。

Grant Green:Street Of Dreams(画像3)64.11.16
-は特異なアルバムで、グリーンのギター、ラリー・ヤングのオルガンに巨匠エルヴィンのドラムス、そしてハッチャーソンのヴァイブと例を見ない編成。スタンダード4曲で33分の淡々とした演奏。アンビエント的なオルガンにトランス的ヴァイブが響く。佳作であり、偶然の産物とは思うがジャズからはみ出る不思議な魅力がある。

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